電子書籍の形態

 現在、電子書籍の形態は大きくわけて、プレーンテキスト(簡易マークアップ言語)、マークアップ言語独自形式、の3つにわけることが出来ると思います。
 ここではそれぞれの形式の特徴などを書きたいと思います。

プレーンテキスト(簡易マークアップ言語)

プレーンテキスト

 通常のテキストファイルのこと。プレーンテキストは汎用性が高い反面文字の装飾などは出来ないという特徴があります。

 インターネットの標準を事実上定めているRFCがASCII形式、つまりプレーンテキストであり続けていること。これもプレーンテキストのメリットを証明していると思います。

対応ビュワー

 各種エディタ、各種ワープロなどがすべて対応ビュワーとなります。

窓の中の物語
BE-iさんによる縦書きテキストビュワー『窓の中の物語』です。とても雰囲気がいいソフトで、フォーリング推薦ビュワーとなっています。オリジナルは【■BE-iノ住む街■】にあります。
このソフトはダウンロードの小部屋よりver.1.42正式版をダウンロードできます。

setext

 setextは『Structure Enhanced TEXT』の略でスウェーデンのlan Feldman氏が1990年前後に提唱した簡易マークアップ言語です。今で言うメールマガジン向けを主目的として考えられたsetextの特徴としては、機種依存やソフトウェア依存しない、マークアップしてもプレーンテキストでの視認性を損なわない、大見出しや小見出しにより構造化が出来る、などの特徴があります。

 すごく簡単にsetextの仕様を説明します。

対応ビュワー

MIV
小倉さんによるsetextビュワーMIVです。DOS版は、HP200LXなどでも使う事が出来ます。もちろん、Windows 95/98のDOS窓での利用も可能です。他にもFM-TOWNS版もあります。
このソフトはダウンロードの小部屋よりDOS版のVer1.50をダウンロード出来ます。
Lime 1
株式会社ピーデー/川俣さんが開発したWindows 95以上で動作するsetext対応ビュワー、それがLime1です。【setext and xetext page】が1次公開のページになります。正式に公開されたソフトではないため、サポートは一切ありません。自己責任で利用するようにお願いいたします。
このソフトはダウンロードの小部屋よりテストリリースNo.5をダウンロード出来ます。

 番外・PalmOS上のMeDoc形式
 setextをMeDoc形式にすることによってPalmOS上で快適に読むことが出来ます。
 詳しいことはあやちさんによるLXのPalm母艦化計画を見るのが最適だと思います。

サンプル作品

香港オフ旅行記
当時のNIFTY-ServeのFHPPCにおいて1996年10月に行われた香港オフの旅行記です。200LXならではの時を刻みながらの返還直前の香港の様子をお楽しみください。
この作品はLHAで圧縮された物をダウンロードの小部屋よりダウンロード出来ます。
フォーリング
れんやによる超短篇オリジナル小説。
この作品は物語の泉 〜Spring of story〜読む事が出来ます。

マークアップ言語

 今、多くの人がもっともなじみが深いマークアップ言語といえば、ウェブページの記述言語であるHTMLだと思います。マークアップ言語というのは、プレーンテキストの中にタグと呼ばれる括弧などで囲まれた文字を挿入する事で、ビュワーで見たときの視認性を上げたり、ドキュメントに構造化を持たせたりするものです。

SGML

 SGMLは『Standard Generalized Markup Language』の略です。マークアップ言語の代表的なものでHTMLやXMLの基ともなっています。1986年に規格がまとまり1987年にISO標準規格8879に承認されました。文章の構造を記述することに力点が置かれています。

HTML

 HTMLは『Hyper Text Markup Language』の略です。1991年に最初のバージョンが登場しました。
 HTML 2.0はRFC 1866で定義されています。HTML 3.2は1996年9月9日にW3Cからドラフトが公開されています。
 ウェブページ用のマークアップ言語として一番馴染み深いものになっていると思います。その最大の特徴はその名の通りハイパーリンクです。
 SGMLのオンラインサブセットとしてスタートしました。

対応ビュワー

 Netscape
 World Wed Webの普及のきっかけとなったNCSA MOSAICの開発者が中心となって設立したNetscape communication社が開発したブラウザ。1時はシェアの9割以上を独占しました。現在はAOL Time Warner社の傘下です。

 Internet Explore
 Windowsを擁しパソコン業界の巨人として君臨しているMicrosoftによるブラウザ。現在シェアの8割以上を占めています。

サンプル作品

 フォーリング
 れんやによる淡い恋物語を描いた超短編小説。
 この作品は物語の泉 〜Spring of story〜読む事が出来ます。

XML

 XMLは『eXtensible Markup Language』の略です。1998年に誕生しました。次世代のウェブをはじめデータベースなどにおいても主流になるものと期待されています。

XHTML

 XHTMLというのは『eXtensible HyperText Markup Language』の略で2000年1月26日にWorld Wide Web Consortium(W3C)によってXHTML 1.0として勧告された新しい規格です。一言で説明すると、HTML 4とXML 1.0を組み合わせたものとなっています。
 XTHMLはXMLをウェブの記述言語とする規格でHTML 4の次世代規格となっています。つまりXMLの体系にしたがってHTMLを書き直したものです。

Open eBook

 Open eBookというのは、Open eBook Authoring Groupが1999年9月21日にOpen eBook Publishing Structure 1.0としてまとめた電子ブック作成のためのHTMLとXMLを併用したような規格の事です。この規格の元々は1998年10月にMicrosoftによって提案された構想で、1999年5月にはドラフト案が発表されていました。これによりデスクトップからPDAまで様々なディスプレイサイズに対応したテキストの提供が期待されています。

 2001年8月20日にThe Open eBook Forum(OeBF)がOpen eBook Publication Structure Specification(OEBPS)の新バージョン1.0.1を公開しました。
 これは従来の1.0のエラーを修正したものとなっています。
 現在OeBFにはMicrosoftやAdobe Systemsなど約85社が参加しているそうです。ただ、この組織の名前は今まで聞いたことがありませんでした。Open eBook Authoring Groupが改称したのでしょうか。

 Open eBookに関してはOpen eBook Forum(OeB)のオフィシャルウェブサイトである【Open eBook】が最も充実したサイトだと思います。

対応ビュワー

 Microsoft Reader
 計画発表当初はOpen eBookに対応したReaderという喧伝だったので、多分対応しているのではないかと考えています。

 Acrobat eBook Reader
 PDF向けのAcrobat Readerの改良版。

独自形式

PDF

 PDFというのは『Portable Document Format』の略でアドビシステムズが電子文書の配布を目的に開発したデータ形式です。閲覧する為には無償で利用する事が出来るアドビ社によるAcrobat Readerが必要です。最大の特徴はプラットフォームや機種に依存せず、印刷物のイメージをそのままコンピュータ上で再現する事にあると思います。現在最も普及している形式です。

対応ビュワー

 Acrobat Reader
 Acrobat Readerは【Adobe Acrobat Reader】から無償でダウンロードできます。

TTZ

 ボイジャー社のT-Time専用形式。閲覧には製品版T-Timeかボイジャー社のウェブサイトから無償ダウンロード出来る機能限定版T-Timeが必要です。

対応ビュワー

 T-Time
 1次公開先は【T-Time トップページ】です。

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