1998/07/13(mon) 04:03:49
事実確認
平成10(1998)年7月12日に投票が行われてた第18回参議院議員通常選挙。公示前の段階では自由民主党(自民党、橋本龍太郎総裁)が改選議席である61議席をどれだけ上回るかが焦点でした。それが選挙戦も後半に入るにつれて自民党の苦戦がマスコミ各社によって報道され、開票の結果は自民党は改選議席を14議席と大きく下回り消費税導入時以来の歴史的大敗を喫し、橋本龍太郎総裁は辞任を余儀なくされました。
今回の自民党大敗の最大の要因は史上最低だった前回の参議院選挙の投票率を更に下回ると見られていた投票率が前回を14ポイント程度上回り58パーセント台となった予想以上の投票率の高さでしょう。政府自民党は口では投票に行きましょうと言っていましたが、本音は投票率が当初の予想通り低い事を願っていたことでしょう。今回の選挙戦は投票率が低いことを前提に、組織票をしっかりとまとめあげれば勝てると読んでいたようです。補欠選挙も六連勝で余裕もあったのでしょう。しかし、不在者投票の制限の緩和や午後八時までと二時間延長された投票時間が功を奏し投票率は50パーセントを回復しました。そして、投票率を上げた最大の要因である浮動票と呼ばれる無党派層と呼ばれる人々が非自民系つまり、民主党、共産党などに投票した為、このような結果になったようです。その為、自民党の一人負けとなり、民主党、共産党、公明党、自由党などは改選議席を上回るか維持しました。
参議院選挙では国政は変わらない等と言った人がいたように記憶していますが、そのような事はけしてありません。その事は今回の選挙の結果を見ればよくわかると思います。参議院選挙の結果以何で一国の総理が退陣に追い込まれるのです。
今回の参議院選挙では自治省と各党各マスコミが一丸となって投票に行こうキャンペーンを展開しました。
今後の動き
今後、政界では今回の選挙結果を受けて様々な動きがあるでしょう。そうした動きの中で絶体に勘弁してもらいたい状況としては、自民党の長老グループという魑魅魍魎が闊歩する事です。こうなってしまっては、はっきり言って元も子もありません。もっとも、そうなった時は次の衆議院選挙で自民党は大敗する事になると思いますが。
まず橋本総裁が敗戦の責任を取って総裁を辞任し、加藤幹事長などの党三役と呼ばれる執行部も辞任する事になるでしょう。さて、そうなった時に次の総裁及び執行部などの役員人事はどうなるのでしょうか。今まで反執行部と呼ばれていた者が主流派となるのでしょうか。しかし、反執行部の人々もまさか自分たちがここまで大敗するとは予想していなかったでしょう。ポスト橋本の名前はほとんどあがっていませんでした。誰が次の総裁そして総理になるにしても、厳しい国会運営を迫られる事になります。
さて、それにしてもポスト橋本。次期総理総裁は一体誰なのでしょうか。一番の有力候補は小淵外務大臣です。他には梶山前幹事長などの名前も浮かんでいますが、妥当な暹としては小淵さんだと思われます。しかし、誰が総裁になるにしてもその手となり足となって働く党三役に誰がなるのかという問題も残ります。さて、自民党はこの難局を無事に乗り切れるでしょうか。
今回の大敗の結果自民党が参議院で過半数を確保する為には3党以上との連係をするか民主党と連係をするかしかありません。民主党にとって現在自民党と連係するのは自殺行為だと思います。さて、参議院で過半数を確保出来ないと言うことは、法案処理が大変困難になることを示しています。衆議院で過半数を制しているため、内閣不信任案が可決する危険性や予算案を強引に成立させる事は不可能ではありませんが、国会運営が大変難しくなるのは間違いありません。
野党各党は今回の勝利で勢いに乗り、衆議院の解散総選挙に持ち込み一気に政権交代へと持っていきたいでしょうが、自民党はそれには応じないでしょう。
その他選挙について
テレビ局各局の選挙速報も様々でした。通常の番組の下や横で文字情報を伝えるといった手法を各局共に取り入れました。
■参院選の当選者数■
選挙区 比例区 計 非改選 新勢力 公示前
自民 30 14 44 58 102 119
民主 15 12 27 20 47 38
公明 2 7 9 13 22 24
社民 1 4 5 8 13 20
共産 7 8 15 8 23 14
自由 1 5 6 6 12 11
改革ク ― ― ― 3 3 3
さきがけ 0 0 0 3 3 3
新社会 0 0 0 0 0 3
二院ク 0 0 0 1 1 2
諸・無 20 0 20 6 26 13
(欠2)
計 76 50 126 126 252 252
〈注〉議長の斎藤十朗氏は無所属だが、改選議席と選挙前勢力の欄では自民に分類した
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