Mail from renya.com vol.008b 1998/10/24
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 vol.008aからの続きです。どうもネスケの調子が治らないようです。


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06:HP200LX考察(TextWare Project)
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http://www.renya.com/komono/lx.htm
http://www.renya.com/textware/

 前号のTextWare Projectのコーナーからの続きですが、HP200LXというPalmt
op PC(手のひらパソコン)を使うと、デスクトップやノートパソコンではあま
り考えられないテキストデータで小説を読むということがあまり違和感を感じ
ないで行うことが出来ます。HP200LXの大きさや重さはおよそ文庫本1冊と同じ
です。この大きさでありながら、例えば40MBのフラッシュカードを使用すれば、
文庫本で一体何冊分の量を持ち歩くことが出来るでしょうか。いえ、2,3冊分
だけ普段は入れておいて、それを自由に入れ替えることも簡単に行えます。

 こう書いておいてなんですが、ボクはあまりHP200LXで小説などを読んでい
ません。いえ、紙の書籍もあまり読んでいないんです。それではお前は本を読
むのが嫌いなのかというと、そうではありません。どちらかというと活字がな
いと生活出来ない人間です。ではなぜかというと、HP200LXを使って通信のロ
グを読むのに忙しいからです^^;。普通WWWの情報やパソコン通信のログやメー
リングリストやメールマガジンといったものはデスクトップパソコンやノート
パソコンなどで家にいるときに読みますが、ボクの場合はほとんどHP200LXに
コピーしてこれで読んでいます。部屋でも電車の中でも講義中でも^^;。ただ、
読む量が多いので、他のものを読む時間までは作れないのです。それでも常時
数冊分のデータはいれてあって、暇があったりした時に気張らしに読むように
しています。これがHP200LXの良さなのです。いくら文庫本といえでも、数冊
をいつも持ち歩くのはなかなか大変ですからね。

 HP200LXに関しては、http://www.renya.com/komono/lx.htmやrenya.com Lin
k Service(http://www.renya.com/link/)からその方面の人のウェブページに
行ってください。ちなみに、一番のお薦めはNIFTY SERVEのFHPPCです。

 HP200LXに関しては、次号に続きます。


07:奈良を訪ねて(01:薬師寺)
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http://www.renya.com/tabi/nara.htm

 桓武天皇によって、長岡京そして平安京に遷都されるまで日本の王朝政治の
中心地だった奈良。その為、数多くの優れた文化財が1000年の時を越えて今も
我々の前にその姿を現しています。今回はそんな悠久の時の中から薬師寺を訪
ねてみたいと思います。

 ボクは小学校の6年の時に父と二人、車で奈良県をまわった事があります。
奈良公園から斑鳩(いかるが)の里、そして吉野山までを2泊3日でまわりました。
今回取り上げる薬師寺(やくしじ)はその時に立ち寄った場所の1つです。

 ちなみに、個人的には薬師寺は伽藍の中に入って見るよりも少し離れた場所
から例えば観音池の対岸から金堂の屋根と西塔(さいとう)そして東塔(とうと
う)の姿を見るのが一番好きだったりします。特に父との旅行の時に1泊した近
くのペンションのベランダから見た夕日をバックにした東塔と西塔の姿には子
供ながら感動を覚えました。

 薬師寺は奈良県奈良市西ノ京町、近鉄橿原(かしはら)線西ノ京駅から徒歩2
分の距離にあります。観光バスも大量に駐車できる巨大駐車場があるので、車
で行っても困ることはないでしょう。

 創建は天武9年(680)。時の天武天皇が菟野(うの)皇后(後の持統天皇)の病気
平癒を願って発願。その後、持統天皇が持統11年(697)年に本尊の開眼を行い
ます。元々は飛鳥の藤原京に建立されましたが、平城京遷都に伴い、現在の地
に移されました。ちなみに、元の場所は元薬師寺となっています。

 薬師寺式伽藍(がらん)配置と呼ばれる伽藍形式に加え、その周りにも多くの
建物が立ち並ぶ大寺院で東大寺や興福寺などとともに南都七大寺の1つに数え
られています。しかし、天延元年(973)の火災で金堂と東西両塔以外のすべて
の建築物を焼失。その後も数多くの火災に見舞われています。その中でも享禄
元年(1528)の兵火による火災では現在も残る東塔以外のすべての建造物を焼失
してしまいました。

 昭和51年(1976)、創建当時の様相で再建された金堂には国宝に指定されてい
る本尊の薬師如来像と日光菩薩像と月光菩薩(がっこうぼさつ)像という両脇侍
がおられます。この薬師三尊像は数々の火災により本来は金ぴかだった肌が黒
光りするようになっています。が、それがまたなんともいえずかっこいいんで
す。まさに日本の仏教美術の代表的な存在だと思います。薬師寺は少し離れた
所から見るのがいいと言いましたが、この仏様を見れないのでは、外から見る
だけで済ませるわけにはいかないと思います。

 金堂の近くには釈迦の足跡といわれる仏足石(ぶっそくせき)があります。釈
迦は土踏まずがなかったそうですね。

 金堂や講堂そして西塔とすべて近世に再建されたものばかりの中、国宝にも
指定されている東塔だけは天平2年(730)と言われる創建から数々の災難から辛
くも逃れそして1300年以上という長い時間日本人を見つめ続けてきました。白
鳳(はくほう)文化の象徴とも言われる建造物です。高さは三三メートル六十セ
ンチ。各層に裳階(もこし)とよばれる屋根のような飾りが付いているので、一
見すると六重塔のようにも見えますが、三重塔なんです。地上から見るのは困
難ですが、飛天(ひてん)をあしらった水煙(すいえん)も有名ですね。「凍れる
音楽」と呼ばれるのも納得の風格です。

 1300年の風格漂う東塔と対で建っていながら、きらびやかな雰囲気で白鳳時
代を彷彿とさせる西塔は他の金堂や回廊などと共に昭和56年(1981)に法隆寺
(ほうりゅうじ)宮大工(みやだいく)の西岡常一(にしおかつねかず)棟梁(とう
りょう)らによって再建されたものです。

 この西岡棟梁はボクが最も尊敬というか感銘を受けた人の一人です。ボクは
この人の事を知ってから物事を1000年という単位で考えることが多くなりまし
た。

 実は再建された西塔は東塔よりも1.7メートル高く造られています。これは
創建当時そのままを再現した結果で、今から500年も経てば東塔と同じ位の高
さまで沈むそうです。そこまで計算して造ったそうです。1000年生きた木はし
っかりと造ってやれば材になってから更に1000年以上生き続けるそうです。

 奈良を中心に日本には1000年以上前の建造物が相当数ありますが、そのほと
んどは木それも檜(ひのき)が使われています。日本ほど建築に木をうまく使っ
ていた国はないとボクは思っています。宮大工にとっての疑問の答はすべて法
隆寺にあるそうです。

 再建用の檜の用材を手に入れるために西岡棟梁は自ら台湾まで出掛け、そし
て山を見たそうです。宮大工の口伝の一つに「木を買わずに、山を買え」とい
う言葉があるそうです。木にはそれぞれ癖がある。その癖を巧く生かして使う。
そういう技術を古来の職人は持っていたそうです。

 西岡棟梁は平成7年(1995)に86歳で亡くなる前に薬師寺伽藍再建に関わる全
ての設計図を書き上げています。昭和45年(1970)に金堂からはじまった薬師寺
の再建事業は西岡棟梁の設計図の基、平成14年(2002)にすべて終了する予定で
す。

 1300年という長い時間、日本人を見守り、生き続けてきた東塔と、その1300
年前の人々の知恵に学び現代にその匠の技を甦らせ、復活した西塔や金堂とい
った東塔の仲間達。日本人とはどういうものなのか。それを考えさせてくれる
場所だと思います。今から1000年後、東塔と西塔が同じ高さでちゃんとたって
いたら素晴らしいなと思います。


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 vol008cに続きます。まさか3つにわけることになるとは^^;。


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